霊園側に毎年支払う管理費ブログ:04月21日
あたしは、33年間共働きをし、
夫の両親と同居して、
二人の子どもを育ててきた。
その間に夫の両親も見送った。
子ども達も独立し、自分達の子育てに真っ最中。
忙しい思いや金銭的な苦労もした…
それらが一段落した時に
あたしの身体に癌が見つかった。
しかし、この思ってもいなかった病気の体験から、
命も大切だが、それと同じ位大切なものがあることを、
あたしは少しわかった気がする。
長い入院生活中、部屋に来る看護師さんは、
どの方も何度も笑顔と優しい言葉をかけてくれた。
落ち込みがちな気分も、その笑顔と言葉で明るくなる。
夫は、慣れない炊事や洗濯をし、
毎日病院に来てくれ、いつも側にいてくれた。
それは、あたしに生きたいという気持ちを持たせ、
辛い治療を忘れさせた。
外泊の日は
布団を干し、部屋を片付け、気持ちよく迎えてくれた。
あたしも外泊の時は、
出来るだけ夫の夕食は、何品かを作り置きしていた。
病院へあたしを送り届ける時、
いつも「すまんのう」と
夫は感謝の言葉を言ってくれた。
あたしの方こそ
毎日病院に来てくれる事への感謝の言葉を
言わねばならないのに…
そんな夫の言葉や思いやりが嬉しくて、
病院で一人になると涙が出てしようがなかった。
病院での服装に、
いつも気を遣ってくれたいもうとの優しさ…
子ども達や幼い孫達の
「元気になったらまた遊ぼう」という言葉…
食欲のないあたしの為に、
毎日のように「元気になって」と、
病院では出ない食べ物を届けてくれた
学生時代の仲間達…
どれも生きる希望、生きたい思いにつながった。
もちろん命は大切だが、それと同じ位、
人を思う心やそれを伝える言葉は大切なものではないか…と
あたしは実感している。