霊園側に毎年支払う管理費ブログ:01月20日
息子と俺、
母子家庭ながら充実した毎日を送っている。
「働くようになったら、お母さんにお金あげるよ。
それでデパートに行くといいよ」
小学校低学年の息子はそんな言葉で俺を喜ばせてくれた。
夏休み、二人で自転車で郊外のお散歩に向かったときのこと。
帽子を忘れた俺は
途中で大型店で買うことにしたのだが、
即座に
「いいや、行こう」と引き返した。
「お母さん、僕のものならすぐに買うのに…」
帽子売り場をあとに息子が呟いた。
少し行くと宝石店があった。
「お母さん、買うの?買うの?」
ショーケースを何気なく覗いた俺に息子はすかさず言う。
それも満面の笑みで…
そういえば前に言ってたことがあったっけ…
「仲間のお母さんは指輪してるけど、お母さんはしないの?」って。
値札を見ながら笑う俺に、
息子はショーケースを廻りながら畳み掛ける。
「お母さん、買う?綺麗だねその指輪。ねえ、買う?買うの?」
息子はちょっとした興奮状態で俺の目を見る。
「お安くしときますよ」
店員さんの苦笑いにようやく決心した。
帽子が十個買えるショッピングになったが、
息子の喜びようが嬉しかった。
息子の興奮状態はそれからも続いた。
「お母さん、指輪ちゃんと持ってる?指輪つけないの?」
到着したお散歩でも何度も何度も確かめてきた。
スキップしながら嬉しそうに…
「なんでこんなに嬉しいんだろう?」
息子は自分でも不思議そうに、
それでも嬉しそうに何度も指輪の入った袋を確認した。
あの指輪は
息子のお嫁さんになる人に大事にとってあります。
この指輪を買う経緯も一緒に喜んでくれるお嫁さんだったら
母親にとって最高の喜びになるでしょう。